「家」の役割

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PIC00044.jpg至るところに神が潜んでいた時代のことを考えると、今はなんとも神様の隠れ場所が無くなっています。(神様に代わって人が潜む、物騒な世の中になってしまいました。)
家の中にも、かつては多くの神様の隠れ場所がありました。夜ギシッと鳴る屋根裏やちょっと離れたトイレにも神様は居たものです。台所にも座敷にも...
そんな神様たちは何時の間にやら居なくなってしまって、それに伴って、私たちが「家」に対して抱くイメージも、幅の狭いものになってきているようです。
機能的な部分ばかりに注目して、心の在りようから見た「家」というものが、なおざりになっているのではないでしょうか。
何か嫌なことがあった時、自分を慰めた場所が、街からも家からも亡くなっているのは、人々が自分の街や家に、居場所を求めていない...そんな気さえしてきます。
いったい何時から神様は、街や家の中から居なくなってしまったのでしょう。
日本の住宅の間取りの歴史的な変化を見ていると、あることに気づきます。
今から150年程前、日本人は今とまったく異なったスタイルの住まいで生活していました。
当時の日本の家屋には、「居間(リビング)」「食堂(ダイニング)」「寝室(ベッドルーム)」といった、機能上の名前の付いた部屋はありませんでした。
土間とか奥の部屋といった具合で。実際、一つの部屋を寝室にも居間にも使っていたので、機能上の名前を付けることができなかったのです。
一つの機能を求められた部屋は、その機能以外のことは省かれていってしまいます。一つの機能を求めらなかった昔の日本の住まいは、神様が隠れる余地が、十分に残されていたのでししょう。

[2002.12]

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