「大須」

名古屋の中心近くに「大須」と呼ばれる地区がある。昔は「大須観音」を中心とした門前町を形成していた。私が幼いころは、もう遊廓などなくなっていたが、アーケード商店街の他に、映画館やパチンコ店、飲食店、露天商などがあって、独特の雰囲気を持った繁華街であった。

一時さびれた様子であったが、20年ぐらい前にリサイクルショップが、その後、家電店、パソコンショップ、古着屋等が出店し、現在では活気を取り戻している。

家電店があることから、以前から外国人を多く見かけたが、現在では、外国人向けの飲食店も出店しており、以前にも増して多く また、通りをはさんで銀行やオフィスもあったりする。

さほど広くない地域内に、このような多種多様な店が並んでいるため、通りを歩いていると、多様な人々を見ることになる。

「観音さん」を参拝した年輩の一向、暇を持て余し自転車でパチンコ屋に通う初老の男性、南米出身者のグループ、家電目当ての新婚アベック、ランチをとるサラリーマンやOL、古着屋さんを探索する今風の若者達、ゲームソフトに集う子供達、もちろんコンピューターに関心を持つ人々は、ここに必ず詣でることになる。

この街を「◯◯の街」として表現するのは、なかなか難しい...。多様な人々が入り乱れ、多様な文化が交錯している「大須」は、「アジアの街」と言えるかもしれない。

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