artの可能性 -その2-

「art」に技術とか技法という意味をくみとるのは、例えば、「遠近法」なんか考えると分りやすいかもしれませんね。あれはすごい技術的発明ですよね。

遠近法の発明によって、街の作り方さえも変わってしまいます。中世都市のどこか俯瞰図的な町並みに対して、ルネッサンスの街は、人間の視点の高さからの遠近法を意識した町並みとなっています。道も建物も広場も、そこに作られているものは全て、人間の視点の高さを意識しています。神の時代から人間の時代へと移り変わった、近世らしさが感じられます。と同時に、人間らしさを表現するのに不可欠だった「遠近法」は、その時代の必然的発明だったということを感じさせてもくれます。

現在の必然的発明は、何なんでしょう?

3Dやバーチャルリアリティーを含めたCGの世界なんてどうでしょう? 多様化する価値観の中から答えを見つけ出す手法として考えるのなら、現在の必然的技術かもしれませんね?

確かに、最近コンピュータを使ってデザインされた建物の中には、以前にはなかった形態のものが出てきたりしています。そのうち、街の形も変わってくるかもしれませんね。

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