胎児の世界

ちょっと同じ話題が続いたので....
中公新書から、三木成夫氏の「胎児の世界」という本が出ている。サブタイトルに「人類の生命記憶」とあるように、地球に生命が誕生してからの1億年間を、胎児が10ヶ月の間で体験しているという内容で、20代前半で出会った時、とても強く印象に残るものであった。

実は、この本を読むより先に、本人に会っていて、それが縁で、この本を読んだのだが...。 そのころ、近くの大学で面白い夏期講議が開かれると聞き、会社をサボって、学生と一緒に講議を受けた。私が建築に携わっていることを話すと、都市の形成に関する興味深い話をされ(この話は、またの機会に)、その知識の幅の広さと、発想の豊かさに感動を覚えた。

その時の出会いがきっかけで、人間と場の関係を意識した設計を目ざしているような気がする。

ぜひ、この本を読まれることをお勧めしたい。自分が、ひとりで成立しているのではなく、まわりの人達と生命の記憶を共有しあって生きているのだということを、強く感じると思う。生まれてこのかたの数十年は、1億年にくらべたら、たいしたことはない。

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