地鎮祭

今日は、設計を完了したH氏邸の地鎮祭でした。

地鎮祭(じちんさい)は、「とこ しずめ の まつり」とも言われるように、文字通り、その土地の神様に土地の利用の許可を得て、工事の無事、家族の繁栄をお願いするもの。

(暑すぎるほどの)好天に恵まれて、気の利いた神主さんの解説に頷きながら、頭を深く垂れてきました。

いよいよ

いよいよ工事が始まります。お盆開けに地鎮祭。工務店との打ち合わせも佳境に入っています。

「自然の風をつくる住まい」

無事いきますように


現在進行中のプロジェクト。
先日確認申請が下り、次のステップへ。
一つの空間を家族が共有することを念頭において設計を進めてきた。
いろいろな試みをしているだけに、無事に完成することを祈っている。

図面を描くということ

製図を教える度に話すことなのだが、図面を描くということは、こちらに、相手とコミュニケーションをとる意志があることを示すことに他ならない。相手とは、クライアントであったり、協力者であったり、施工者であったり、その状況に応じて様々で、求められる図面の内容・質も異なってくるのだが、いずれにしても、こちらの意図を分かってね...という気持ちが無ければ、意味が無い。
この図面で、相手に何を伝えたいのか。さらに、どんな思いを伝えたいのか。伝えることが目的であって、描くことではない。
逆に、相手とコミュニケーションをとる意志がなければ、図面を描く必要はない...建築はできないが...(建築以外のものならできるものもある)。
だから、良い図面とは、決して、きれいに描けている図面のことをいうのではなく、こちらの意志が間違いなくの伝わる図面のことをいうのだと思う。それはどんな姿をしているのか...そんなことを考えつつ、今日も図面に向き合う。

杭芯の確認

現場打ち合わせで、杭芯の確認を行った。
そう、小さな住宅なのだが、杭基礎とした。
鉄骨の3階建てだが、屋根・外壁をガリバリウム鋼板とし、軽い建物としている。従って、地盤改良でも充分に耐力は出せそうなのだが、多少コストはかかるが、信頼性を優先した。
敷地が狭く、隣地に近接した位地に杭を打つため、特殊なものになる。これもコストアップの要因となる。
隣地には10年前に建てられた、ALCの鉄骨3階建てが建っているが、杭は打っていない(多分地盤改良はしていると思うが)。
それでも杭を打ちたかった。
ボーリングによる地盤調査(他にコストのかからない方法もあるのだが、これも信頼性を優先した)から、水位が高いことが分かっている。地震時に液状化する可能性も否定できない。支持地盤も深い。
建物は、見えないところにコストをかけるべき...と信じている。見えるところは、後から何とかなっても、見えないところは何ともならない。

施工図のチェック

工務店が描いてきたきた施工図をチェック。敷地ギリギリに建てるため、こちらは、ディテールなどもかなりシビアな要求をしている。工務店のディテールは、オーソドックスで無理のないものとなっている。でも、こちらの意図を反映しきったものとなってはいない。ここからはじまるのだ。
80平方メートルにも満たない小さな家に50枚の図面、それに施工図。そして、そこからはじまるやり取りによって、図面に描かれた住宅は、だんだんと現実の住まいとなっていく。
こちらの意図を伝える為には50枚の図面を必要とした。工務店の側もそれを理解するのに施工図を必要とする。それがなければ、互いの頭の中にある考えを理解し合うことはできない。そして、互いのギャップを埋め合う為に打ち合わせを重ねていく。
建築に携わるものにとって図面を描くということは、言葉を話したり、文字を書いたりするの同じように、意志を表わし、意見を交わすことだと思っている。
だから、図面を少なくすることができない...。

はじまりのはじまり

地鎮祭が終わり、いよいよ工事が始まる。
今回の設計に置ける自分自身のテーマは、「これからの住まいのあり方を考えたものであること」と「鉄骨住宅のベストパフォーマンスを考えること」の2点にある。
「これからの住まいのあり方を考えたものであること」
家庭のあり方が問われる時代である。今、虐待や非行、自殺など、家庭を発端とした社会問題がクローズアップされている。こういった因子に、住まいのあり方というものも含まれているのではないか...と建築家は悩む。書籍やハウジングメーカーのプランの中には、こうしたことに対する解答を出してきているものがあるのだが、個人的にはもの足りないでいる。社会問題に対する直接的な解答になるはずもないのだが、それでも自分自身の考えを反映した設計としたかった。
「鉄骨住宅のベストパフォーマンスを考えること」
鉄骨を構造材とした場合、断熱や結露に対する決定的な対処法は見いだされていない。コストや安全性を含めて考えていくと、「落としどころ」というものが生まれてくるのだが、それでも、自分自身で少しアイデアを出してみたかった。都市型住宅を考える場合、防火や3階建て等、構造に鉄骨を使うことのメリットは存在するからだ。
設計段階では、この2つの意思を、ある程度反映することができた。でも、これで終わったわけではない。これから始まる施工監理においても、自分の心の置き所をはっきりしておきたい。