高気密住宅と健康住宅

最近の住宅は、高気密住宅が中心です。十分な断熱材を施し、室内側板材の裏に気密シートを貼り(表面に塩ビシートを貼っただけのものは効果ありません)、気密サッシを使い、コンセントや配管周りに気を配り...。かつての木造住宅/木造サッシに比べれば、3倍とか5倍の気密性が得られています。それだけ、冷暖房のエネルギーロスが少ないということです。
一方、かつての木造住宅は、すき間風が十分に得られていた(?)ため、換気の必要がほとんどありませんでした。現在の気密住宅は、1時間に1~2回室内の空気を入れ替えてやる必要があります。窓を開けて入れ替えてもいいのですが、冷暖房のエネルギーロスを生じるだけなので、熱交換型の換気扇を使わなければなりません。でも結構モーターの音が気になったりします。ですから、寝室に換気扇を付けず、ドアにガラリなどを付けて、家全体を単体の換気扇によって、24時間換気し続けるといった方法が用いられたりもします(音のプライバシーに問題が生じますが...) 。
また、気密化によって、有害物質の人体に与える影響は増大しています。最近問題になっていた、接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどは、分解性の高い物質なのですが、気密化によって室外への逃げ道がなく、室内側の濃度を高めてしまいます。また、空気を循環させるシステムも、建築物のいろいろな所の空気を運んできてしまい(時には、床下とか屋根裏とか...)、思わぬ物質の影響を受けたりすることもあります。
少し話は変わりますが、輸入住宅の断面などを見ていると、気密性のことは十分に考慮してあるのに、一旦壁内に入った水分の逃げ場が考慮されていないように感じたりもします。
なんか、こう考えるといわゆる気密住宅というのも、イマイチだな~と思えてきますよね。
プラスαのアイデアが必要となるのでしょう。
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