■有害物質の種類
住宅の中の有害物質は、次の様に分類されます。
1. |
ガス状物質: |
CO2、CO、ホルムアルデヒド、有機化合物(含農薬)、窒素・硫黄酸化物、オゾン、ラドン 等
|
2. |
無機粒子・繊維状物質: |
ガラス繊維、アスベスト、重金属 等 |
3. |
有機粒子状物質: |
花粉、カビ、粉塵 等 |
4. |
微生物・細菌類: |
バクテリア、細菌、ウイルス、ダニ 等 |
|
■建築材料に起因する有害物質
この中で特に、住宅の材料に起因するものとして、次のようなものがあります。 |
ペンキの溶剤 |
トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ノナン、デカン |
水性ニスの溶剤 |
アセトン、ISO-プロピルアルコール、n-ブタノール |
ラッカーの溶剤 |
トルエン、キシレン、酢酸ブチル、n-ブタノール |
ビニルクロスの可塑剤 |
フタル酸エステル系(DBP、DOP)、リン酸トリクレシル(TCP) |
壁紙類の難燃加工材 |
リン酸トリエステル系(TBP、TCEP) |
壁紙類接着剤溶剤 |
酢酸ブチル、n-ブタノール、トルエン、キシレン |
木工用接着剤溶剤 |
酢酸メチル、酢酸ビニル、酢酸エチル |
床ワックス |
トリメチルベンゼン、ブチルベンゼン、デカン、エチルトルエン、キシレン 等 |
畳の防虫加工剤 |
ナフタリン、フェニチオン、フェニトロチオン(スミチオン)、ダイアチノン |
木材、土壌の防蟻剤 |
クロピリホス、S-421、ホキシム 他多数 |
輸入木材 |
臭化メチル(オゾン層破壊物質)、EDB(臭化エチレン)、MFP(フェニトロチオン)、マラソン混合油剤 |
家庭用殺虫剤、防虫剤、トイレの芳香剤 |
・ |
|
■特に注意すべき建築材料
中でも、今話題となっているのが、ホルムアルデヒド、有機化合物(含農薬)等の化学物質や農薬系の防虫・防腐剤です。 |
ホルムアルデヒド(CH2O) |
合成樹脂や接着剤に含まれています。したがって、接着剤を使う合板や、クロスやカーペットを貼る接着剤にも使われています。
接着剤の中でホルムアルデヒドが多く含まれているのは、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系です。
人体に与える症状としては、目や鼻への刺激、涙、咳、呼吸困難、喘息、ひどい場合には死亡することもあります。また、アレルギー誘因物質ともなり、発癌性物質にもなるとされています。 |
揮発性有機化合物(VOC) |
多くの種類(脂肪族、芳香族の炭化水素、塩素化炭化水素、各種ケトン類、アルデヒド類 等)があります。
共通の症状として精神興奮、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、食欲減退、息切れ、動悸、手足のしびれ等の中毒症状を引き起こし、重度の場合は小脳麻痺によって死亡することもあるそうです。 |
農薬系防腐・防虫・シロアリ駆除剤 |
畳や土台などの木材の防腐・防虫や床下の土壌処理用防蟻剤として、フェニトロチオン(スミチオン)、フェニチオン(バイジット)等の有機リン系の殺虫剤が使われています。
現在一般に流通している藁入りの本畳には、農薬による防虫処理が行われています。
床下のシロアリ駆除剤は、木材に塗布や加圧注入され、床下の土壌にも注入されることがあります。
合板にも、接着剤に添加されることがあります。 |
|