家相の話

皆さんは、家相を気にされますか? 昨今、結構占いがはやってたり、「風水」の本が売れてたりしてます。
日本の家相は、もともと中国から伝わってきたもので、鬼門が北東の方角だったりするのは、内陸に位置する都にとって、脅威となる季節風や蛮族などの方向を示している。という説もあります。日本にとっても北東は、季節風や蝦夷の方角と一致し、鬼門とすることに、違和感がなかったのかもしれません。
そういったことを考えると、家相は、当時の「環境工学」であり「防衛都市工学」と考えることができるでしょう。
「仏壇は東向きか西向きがいい」なんていうのは寒気を防ぎ、採光をとるプランニングを成立させる、立派な環境工学です。
一方防衛都市工学としては、鬼門の方角に結界をつくることになります。京の都の北東に賀茂神社を、その先に比叡山を、といった具合です。地方都市においてもこうした結界配置が見られたりもします。皆さんの町ではいかがでしょう?
こうした家相は、江戸時代に最盛期を向かえるのですが、◯◯流といった、流派ができ、互いに勢力を競い合ったことから、「こうしたら金持ちになれる」的な、ちょっと無理した家相も誕生したりして、だんだん廃れていったりもします。
現代においての家相の受け入れかたですが、まあ、理に適ったものは、受け入れ、そうでないものは、少し考えてみる...ぐらいのスタンスの方が、気が楽だと思います。当時と環境も大分変わってきています。ビル風が発生したり、ヒートアイランドで風向きさえも変わったりしている時代です。またその時代に、高層建築物に対しての家相もなかったでしょうから。
そういう意味では、現代には、現代の理に適った家相が、必要なのかもしれません。
住まい雑感のページ

Comments are closed.