資料として古いものです。
住宅を新築したり購入するには、建物を建てるための費用以外にもかなりの金額がかかります。例えば税金が、その代表的なものです。
固定資産税のように、初年度だけでなく、継続して納付しなければならないものもあるので、資金計画の際には、しっかり考えておく必要があります。
■不動産にかかる税金
税金の種類 |
課税対象 |
不動産の取得、建築に課せられる税金 |
不動産取得税 |
土地、建物の取得 |
特別土地保有税 |
土地の取得 |
登録免許税 |
登記 |
印紙税 |
契約書等の文書作成 |
贈与税 |
土地、建物の贈与 |
相続税 |
土地、建物の相続 |
不動産の譲渡に課せられる税金 |
(個人の場合) |
|
所得税 |
譲渡による所得 |
都道府県民税 |
譲渡による所得
|
市町村民税 |
譲渡による所得
|
(法人の場合) |
|
法人税 |
譲渡による所得 |
事業税 |
譲渡による所得
|
都道府県民税 |
譲渡による所得
|
市町村民税 |
譲渡による所得
|
印紙税 |
契約書等の文書作成 |
消費税 |
譲渡金額 |
地代、家賃など
の収益に課せられる税金 |
(個人の場合) |
|
所得税 |
地代家賃による収益 |
都道府県民税 |
地代家賃による収益
|
市町村民税 |
地代家賃による収益
|
(法人の場合) |
|
法人税 |
地代家賃による収益 |
事業税 |
地代家賃による収益
|
都道府県民税 |
地代家賃による収益
|
市町村民税 |
地代家賃による収益
|
消費税(事務所を貸す場合) |
家賃等の金額 |
|
|
■控除・特例
●住宅取得等特別控除
自分が住むための住宅を新築したり購入し、割賦支払か住宅ローンの借り入れ期間が10年以上にわたる人は、所得税から控除を受けられます。
[平成13年6月30日まで入居の場合] |
1年目~ 6年目まで |
1%(最大控除額50万円) |
7年目~11年目まで |
0.75%(最大控除額37.5万円) |
12年目~15年目まで |
0.5%(最大控除額25万円) |
|
[平成13年12月30日まで入居の場合] |
借入金の年末残高に対して
(全期間) |
2,000万円以下 |
1% |
|
2,000万円超3,000万円以下 |
0.5% |
ただし、1棟の面積または区分所有する床面積が50m以上240m2以下であること等が条件です。手続きは、所得税の確定申告書に必要な項目を記載し、証明書を添付して税務署に提出します。給与所得者は2年目から年末調整で控除が受けられます。
●住宅取得資金の贈与特例
親からの援助で住宅を建築・購入する場合、その分を含めて所有権登記をすると、援助された額に贈与税がかかってきます。しかし、以下の要件を満たせば「住宅取得資金の贈与の特例」が受けられます。特例の対象となる贈与は祖父母に限られています。
住宅取得資金の特例適用要件 |
1. |
贈与を受ける年の合計所得金額が1,200万円以下であること(給与収入だけの人は年収1,430万円以下)。 |
2 |
.贈与を受ける者は、過去5年以内に自分および配偶者が所有する住宅に居住したことがないこと。 |
3 |
.直系の父母または祖父母からの、住宅を取得するための金銭(現金など)、の贈与であること。 |
4. |
取得する家屋の床面積は50m2以上であり、併用住宅では床面積の2分の1以上が居住専用であること。なお、中古住宅の取得では建築後20年(耐火建築物では25年)以内のものであること。 |
5 |
.増改築の場合、本人が所有する住宅で工事費用が1,000万円以上または増改築による床面積の増加が50m2以上であること。 |
6. |
贈与の翌年3月15日までに住宅を取得して居住するか、同日以後速やかに居住できること。 (KMS) |
■税金の種類
●不動産取得税 |
納税者 |
売買や贈与、建築などによって不動産を取得した人。ただし、相続による取得には相続税がかかり、不動産取得税はかかりません。 |
税額の計算方法 |
(不動産の価格 – 各種控除) × 4/100 = 不動産取得税額 |
ただし、不動産取得税については、平成13年6月30日まで住宅やその敷地を取得したときには税率が3/100に 軽減されます。また、平成14年12月31までに取得した土地については、価格の1/2に税率をかけるという負担調整措置が講じられます。 |
税金の申告と納税 |
取得した不動産の種類、所在地、取得の年月日その他の事項を文書にし、不動産の所在地の市町村を経由して都道府県知事に申告します。申告がすむと納税通知書が交付され、期限内に記載されている税額を納付しなければなりません。 |
●登記と登録免許税・印紙税
登記とは |
登記には、建物の表示登記、所有の移転登記、保存登記、抵当権設定登記などの種類があります。
建物の表示登記とは、どこにどのような建物ができたかを明らかにするもので、完成後1ヵ月以内に行うよう法律で定められています。費用はかかりません。
売買や贈与、相続などによって土地や建物の所有者が変わると、所有権の移転登記を行います。また、保存登記とは、土地や建物の所有権を公表し、証明するものです。もし保存登記をしないでおくと、第三者が先にその土地や建物の保存登記をしてしまった場合に対抗できなくなります。
抵当設定登記とは、金融機関などから住宅資金などの貸し付けを受けた時、担保として貸し付けの対象となった土地や建物に、抵当権を設定することです。抵当権の設定が融資の条件になっていることが一般的です。 |
●登録免許税
登記の種類 |
課税標準 |
税率 |
所有権の移転 |
売買 |
不動産の価格 |
5.0%※1. (0.6%) |
贈与 |
不動産の価格 |
|
相続 |
不動産の価格 |
|
所有権の保存 |
不動産の価格 |
0.6%※2. (0.3%) |
抵当権の設定 |
債権価格 |
0.4%※3. (0.2%) |
所有権の移転登記、保存登記、抵当権設定登記には、登録免許税法により、登録免許税が課せられます。税率は以下の表を参照してください。
※1、2、3は、自分の住まい用で一定の条件を満たした住宅の場合の軽減税率
●印紙税
印紙税は、不動産売買契約書や工事請負契約書など、法律で定められた文書に課せられる税金です。一般に、その書類に印紙を張ることで納税します。税額は文書に記載されている金額に応じて変わってきます。印紙税を納入しなかった場合は、印紙税額の2倍の印紙税不納付過怠税を課せられるので、注意が必要です。印紙には必ず消印をします。
●固定資産税
毎年1月1日現在、固定資産課税台帳に土地や家屋の所有者として登録されている人に は、固定資産税が課税されます。
・税額の計算(住宅用地の場合) |
課税標準額とは、課税台帳に記載された固定資産の価格です。土地と家屋については、市町村が3年ごとに評価額を見直します。 |
・住宅用地などに対する特例 |
土地の評価額は地価を反映しているので、評価額をそのまま課税標準額にすると、税負担が急増してしまいます。そのため、住宅用地は現在、課税標準額の1/3で計算するよう定められています。特に200m2以下の小規模住宅用地は、1/6に軽減されます。 |
新築家屋の床面積120m2までの部分については税額が3年間(耐火構造または準耐火構造の建物で3階建て以上のものは5年間)1/2に軽減されます。
また、次の算式によって算出した税額の方が低い場合は、この算式によって税額を決めます。
前年度分の固定資産税の課税標準額 × 負担調整率 = 税率 |
負担調整率は、土地の用途や上昇率によって定められています。
●都市計画税
都市計画区域に土地や建物を所有している人には、固定資産税のほかに都市計画税が課せられることがあります。都市計画税は、固定資産税と合わせて徴収されます。
・都市計画税の算出方法
税率は、0.3%を限度にして市町村の条例で定められています。