風の生まれる家

「風の生まれる家」が完成しました。

この住宅は、名前の通り「風」を意識してデザインしています。

「風」は、空気の流れを表す言葉ですが、
いろいろな慣用的な表現でも使用されています。

ちょっと思い浮かべるだけでも、

風通しがいい
風向きが変わる
風上に置けない
肩で風を切る

などなど….
目に見えないものを表現する言葉である「風」は、
形に表すことのできないその場の雰囲気や感覚を言い表してくれます。

古今和歌集に
「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」
という藤原敏行(ふじわらのとしゆき)があります。

「秋立つ日、よめる」とあるので立秋に読んだのでしょうが、
一瞬吹いた風に、世の変化を象徴する役割が、与えられています。

「風の生まれる家」には、そうした目に見えない感覚を、目に見える住宅として表してみたいと思いました。

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