土地選び

住まいを造るのにあたって、以外と見落としがちなのが「土地」です。建て売り住宅などは、もう既に建物が建っているので、特に土地について考えが及んでいないのではないでしょうか。

土地を住宅を建てれる形に整備して、間もなく家が建っている...というケースはけっこう多いです。こいった場合には、土地に基礎を安定した状態で置くことができるように、それなりの措置がとられていない限り、手を出すべきではありません。最近、景気の悪化からか、売り裁きのスピードが上がっているような感じさえします。建て売りを購入される方は、土地の形状を観察し、土地に対して、どのような措置が施されているのか、必ず確認してください。建物の構造がいくら丈夫でもなんの意味もありません。

土地を購入して家を建てる方は、まだ現在の土地の様子が分かっているのですから、それに応じた建て方が可能です。地盤が弱くても、杭を打ったり、地盤改良をしたり、そういった対応をすれば安全な住まいを造ることができます。とはいえ、はじめから良い土地を選んだ方が、建築費も安くなりますし、安心感も違います。

敷地の造成には、土地をかさ上げする盛土、土を削り取る切土があります。切土はそれ程問題ないのですが、盛土の敷地は、土が固まるまでかなりの時間が必要です。

例えば、池や田んぼなどの湿地に土を入れたり、盛土を押えるための擁壁設置のため、土を一旦掻き出し、再び入れ直しているような所は、少なくとも盛土をしてから1年以上はおかないと地盤は安定しません。

宅地分譲された土地には。以前の面影はないので注意して周りを見て下さい。 もし、現地に行かれて地盤が気になるようでしたら、その土地の周辺住宅を見て基礎や外壁にひび割れがないかチェックしてください。また、周りの風景から斜面を盛土したか...以前は田んぼだったか...などの推測ができる場合もあります。

基本的に、建てる前に地盤調査することをお勧めします。設計事務所によっては、そういった費用をきちんと設定している所もあります。簡易方法としてスウェーデンサウンディグ試験(約5~7万円程度)があります。一般住宅ではこの方法で調査すればある程度の地耐力は予想できます。(これぐらいの費用で安心感が獲られるなら、安いものだとは思いませんか?) 本格的であれば載荷試験(約20万円程度)があります。

先にも書きましたが、地盤が弱くても、それなりの処置を施せば問題なく建てることができます。ただし、盛土と切土にまたがるような敷地はやっかいなので、避けた方がよいでしょう。

 

住まいづくりの手順

地鎮祭の時期を基準として、前後の関係を時系列で並べてみると、以下のようになります。

住まいづくりをはじめる際、いつどんな準備が必要か、参考にしてみてください。

行 程
内 容
スケジュール
準備 ●構想をたてる(生活のあり方/子供の育て方/団らんのあり方/使いやすさ/見た目)
企 画 ●構想づくり
●土地さがし
●予算計画
●建設方法の選択
●設計契約
-3.5~6ヶ月
基本設計 ●敷地との関係を設定
●空間分割の設定(パブリックスペース/セミ・パブリックスペース/ プライベートスペース)
●空間のつながりを設定平面的/断面的)
●水まわり/サービスヤードの設定
●アプローチ/塀/車庫/庭/外構の設定
●室内気候の設定(通風/採光/設備)
●外観イメージの設定
-2.5~4ヶ月
実施設計 ●各部屋の機能の再点検
●高さ関係の検討
●採光・通風の検討
●仕上材の決定(床/壁/天井)
●設備の計画と器具の決定
●建具の使い勝手と仕様の決定
-2~3ヶ月
見積り
●確認申請図書の作成 -1~2.5ヶ月
契約・着工 ●契約書琶
●工事費第1回支払い
●挨拶まわり
地鎮祭 ±0
上棟式 ●役所の中間検査
●工事費第2回支払い
1~1.5ヶ月
竣 工 ●竣工検査
●ダメ工事琶
●工事費採集支払い
●役所の竣工検査琶
●引渡し
4~6ヶ月
引越し ●近所へ挨拶まわり
維持管理 1年検査/2年検査
●メンテナンス契約
●早期発見・早期治療
増改築

 

住まいづくりのスケジュール

予定日 行 程 概 要 関 連
相 談 ●情報収集
●展示場見学
●要望提出
●要望の整理
●農地転用相談(農地の場合)
敷地調査 ●敷地の形状、高低差、
上下水道、ガスなどの調査
●法規制などの調査
●調査費用
プラン打合せ ●敷地調査報告
●プラン打合せ
●仕様打合せ
●造成・解体打合せ
●外構計画打合せ
●資金計画打合せ
●見積り
●手持ちの家具の採寸
契 約 ●契約条件の確認
●スケジュールの確認
●建築工事請負契約の締結
●契約金
  詳細打合せ ●仕上げ、仕様、設備の再確認
●詳細図面、電気配線の再確認
●インテリアコーディネート
●解体、造成の手配
●公庫などの融資申込み
●引越し準備(建替えの場合)
  着 工 ●地鎮祭
●近隣挨拶
●解体、造成、地盤改良
●着工
●地鎮祭
●着工時金
  上 棟 ●上棟
●公庫現場審査
●上棟時金
●公庫中間資金
  竣 工 ●竣工検査
●引渡日確認
●建物登記手続き
●引越し手配
●完成時金
●公庫などの融資手続き
●諸費用の準備
  引渡し ●鍵、保証書の受理
●取り扱い説明
●電気、水道、ガス、電話などの開設
 
  入 居 ●近隣挨拶
●住所変更
 
  アフターサービス ●定期点検  

 

3・4世代の家族が住む家

Q 3・4世代の家族が住む家を探していました。


A 私の経験から、数世帯が一緒に住む家の難しい点を少し書いてみます。
ソフト面に関しては、それぞれの家庭によって違うと思うので、ハード面を中心に書きます。

1. 音の問題

生活パターンが異なる家族が生活していくわけですから、遮音には充分な配慮が必要となります。

特に複数世帯場合、階下に対する遮音が大事ですよね。

音にも様々な種類のものがあって、子供の声のような高い音/足音などの小さな衝撃音/飛び跳ね等による大きな衝撃音/水道を使った時の水やパイプの音....などなど。それぞれ防ぎ方は違います。

高い音や小さな衝撃音は、遮音材や吸音材を用います。一方、木造の場合、大きな衝撃音を防ぐよい方法は、一般的にあまりとりあげられていません。特別な方法を用いることになります)

設備配管等による音は、配管の経路、施工法を前もって考えておく必要があります。

ですから、音の問題を解決するためには、間取りは重要な要素となります。お互いの生活パターンを考え、寝室の上や隣にに子供室をもってこないとか、リビングをもってこないとか...考えてください。

2. コミュニケーションの問題

上記のような「音の問題」がある一方、家族が孤立しないように、アイデアを絞ることも必要です。これも間取りが重要になってきます。

あと断熱や健康住宅に関しては、一般的にも言われていることなので...

参考にしてみてください。

 

「泥んこで帰れる家」について

Q S’s House(泥んこで帰れる家)をくわしく知りたいと思いました。


A これは、グラフィックデザイナーのために設計した住宅です。

20畳ある吹抜け空間は、作品を飾るための壁面と、南側の大きな開口で
コントラストをつけています。

家族そろって(奥さんと子供2人)アウトドアを楽しんでいるので、駐車場から中庭を通って、直接浴室や洗面所に行けるようになっています。

日中は、玄関を入ると、リビング/ダイニング/キッチン/家事室/洗面/(中庭)は、一つの空間として感じると思います。(多分50畳以上あると思います)

一方夜間は、空間の区切りを変えることで、2階のプライベート空間とダイニング/キッチン/家事室/洗面/浴室/トイレが一体感を感じれるように配慮しています。

この家では、子供は自分の部屋で勉強はしないで、お父さんと一緒に2階の作業テーブルで勉強したり、お母さんと一緒にダイニングテーブルや家事テーブルで勉強します。遊ぶのも子供部屋ではなく、ダイニングや・リビング(バトミントンができます)です。お父さんやお母さんの過ごす時間もほとんどこの空間です。

「家族の心を育む住まい」の先駈け的住宅です。

設計契約の時期について

Q 初めまして、突然メールで申し訳御座いません。実は他社の設計士さんに、 自宅を設計依頼を御願いしている現状ですが、どうしても私共と設計士さんとの設計時点でのずれというか、何かが違うように見えます。ラフから2ヶ月がたとうとしてますが、先日ラフの時点で、納得を100%している訳ではないですが、設計契約してからもう一度一緒に考えましょうとおっしゃったのですが、何か釈然としません。普通ある程度大筋双方が納得し、後に設計契約に至ると思うのですかいかかでしょうか?

御社様の設計士との間柄との内容を拝見したところとても共感いたしました。お忙しいと思いますが返信頂けると幸です。


A ご相談の件ですが、やはり、納得してから契約される方が良いように思います。

設計あるいは計画は、3つの段階に分けて考えることができます。

1.企画段階

クライアントのイメージするもの、またイメージにまで行着いていないが言葉にできるもの、また言葉にできないもの...そういったものを分析して、矛盾なく言葉やイメージに置き換えていく段階です。当然、法規や予算といった条件に対しても矛盾なく進めていきます。

クライアントの言葉にならないもの、形にならないものを、どうやって
くみ取っていくかが大切になります。

この段階で、クライアントと一緒に、全体としてのコンセプトを決めます。(同時に、価値基準も決まります。)

2.基本設計段階

企画段階で決定したコンセプトや価値基準にしたがって、具体化を進めていきます。段々形になっていきます。
これらの検討は、図面(平面図・立面図・断面図等)やスケッチ(CADの3Dを使うこともあります)、模型などで行なっていきます。

企画段階のコンセプトや価値基準が、クライアントの評価基準となるので、合意はしやすいと思います。

企画段階・基本設計段階で、クライアントに積極的に参加してもらうのが、結果的には、後悔のない「家づくり」となります。
(スタジオ・イカルスでは、クライアントと一緒にB紙に向かったり、模型を作ったりしています。)

基本的にはここまでの段階を狭義の意味での「計画段階」と呼ぶこともあり、この段階で設計を断わってもクライアントに付加は生じません。(ただし、設計事務所によって、この部分の考え方はまちまちです。少なくともスタジオ・イカルスではこういう方針で設計を行なっています)

3.実施設計段階

実際の施行を念頭において、詳しく細かい図面を書いていきます。

基本設計では、現れてこなかった細かい表現も必要になってきます。
あらゆる材料・部品が図面に表されます。図面は100枚以上になることも稀ではありません。

スタジオ・イカルスでは、実施設計段階に入る前に、契約を行ないます。

「企画段階」で、お互いのだいたいの雰囲気は分るのではないでしょうか。
クライアントと設計する側の一体感が感じられた時、そこには世界に一つしかない、素晴らしい結果が生まれるのだと思います。

1年後、5年後、10年後...に後悔しないために、今の段階を一つひとつ大切にされる方が良いと思います。

お答えになりましたでしょうか。

住まいを作るのに、いったいいくら必要なのか

■坪単価で出てくるものが、すべてではない
 一半の方が家を建てるにあたって、いくらぐらい必要か考える時に、まず三晃にするのが「坪いくら...」という、坪単価だと思います。ハウジングメーカーの広告を見ても、「坪40万円」とか書いてあります。そして、「同じ工法、同じグレードなら、坪単価の安いA社の方がお得だ...」とか、「坪単価50万円で、100m2の家をつくるから5000万円必要...」とか考えたりするのに利用しているのではないでしょうか?

でも、この「坪単価」、基礎の違いや諸費用や外構などの別途工事費を除いた本体工事費をさすことがほとんどです。また、会社によってどこまでを坪単価に加えているか...差があったりします。(良心的な所が、かえって高かったり...ということもありえます。設計事務所は基本的にこの姿勢であると思います。)

また、当然のことながら、地盤の軟弱さ、敷地の形状、道路からの高低差などにより、付帯工事費も大きく変わります。

建物を建てるためには、どのくらいの坪数の家を坪いくらぐらいの単価で建てようかと考えた金額から、だいたい1.3倍程度は、別途費用・諸費用がかかると考えておきましょう。

建物の総費用の内訳
本体工事費 基礎工事から屋根・内外仕上までの建物本体の工事費。
ハウスメーカーのいう標準工事費はこの部分をいう。
付帯工事費 その建物を建てる時に敷地や地盤条件などで発生する工事と、ハウスメーカーの場合の外部設備引込・排水諸工事。
別途工事費 外構・エアコンなど、建物以外で施主が別途発注・購買する工事。
諸費用 各種申請料・印紙・ローン諸費用・引越し費用など。
追加工事費 契約後発生する変更・追加工事費。

21世紀住宅「家族の心を育む住まい」

21世紀になったばかりの、2001年1月に開かれた展覧会に出したパネル。パネルといっても下地は合板で紙を積層しているのでかなり重い。
20世紀が、合理性と機能性を追求した、外向き(上昇志向の強い)時代であったのに対して、21世紀は、もう少し内向きで、家族の問い直しが行われる時代だと考えている。
「少子高齢化」「高度成長時代の終焉」「個人と社会の結びつきの変化」...等、いろいろなキーワードを上げていくことはできるが、結局のところ、「近代化」という実験が、行くところまで行ってしまって、実は別の段階が(すでに)始まっているのではなかろうか。
こうした、次の段階へ進んでいこうとする私たちと、合理性や機能性の追求によって発展してきた住まい(住まいだけではないが)との間にはギャップがあり、そのギャップの積み重なりがストレスになっているような気がする。
こうしたギャップやストレスの解消には、小手先のデザインでは対応できないだろう...というのが私の考えだ。

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