住宅の中の有害物質

■有害物質の種類 
住宅の中の有害物質は、次の様に分類されます。

 

1. ガス状物質:  

CO2、CO、ホルムアルデヒド、有機化合物(含農薬)、窒素・硫黄酸化物、オゾン、ラドン 等

 

2. 無機粒子・繊維状物質: ガラス繊維、アスベスト、重金属 等
3. 有機粒子状物質: 花粉、カビ、粉塵 等
4. 微生物・細菌類: バクテリア、細菌、ウイルス、ダニ 等

■建築材料に起因する有害物質
この中で特に、住宅の材料に起因するものとして、次のようなものがあります。

ペンキの溶剤 トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ノナン、デカン
水性ニスの溶剤 アセトン、ISO-プロピルアルコール、n-ブタノール
ラッカーの溶剤 トルエン、キシレン、酢酸ブチル、n-ブタノール
ビニルクロスの可塑剤 フタル酸エステル系(DBP、DOP)、リン酸トリクレシル(TCP)
壁紙類の難燃加工材 リン酸トリエステル系(TBP、TCEP)
壁紙類接着剤溶剤 酢酸ブチル、n-ブタノール、トルエン、キシレン
木工用接着剤溶剤 酢酸メチル、酢酸ビニル、酢酸エチル
床ワックス トリメチルベンゼン、ブチルベンゼン、デカン、エチルトルエン、キシレン 等
畳の防虫加工剤 ナフタリン、フェニチオン、フェニトロチオン(スミチオン)、ダイアチノン
木材、土壌の防蟻剤 クロピリホス、S-421、ホキシム 他多数
輸入木材 臭化メチル(オゾン層破壊物質)、EDB(臭化エチレン)、MFP(フェニトロチオン)、マラソン混合油剤
家庭用殺虫剤、防虫剤、トイレの芳香剤

■特に注意すべき建築材料
中でも、今話題となっているのが、ホルムアルデヒド、有機化合物(含農薬)等の化学物質や農薬系の防虫・防腐剤です。

ホルムアルデヒド(CH2O)  合成樹脂や接着剤に含まれています。したがって、接着剤を使う合板や、クロスやカーペットを貼る接着剤にも使われています。

接着剤の中でホルムアルデヒドが多く含まれているのは、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系です。

人体に与える症状としては、目や鼻への刺激、涙、咳、呼吸困難、喘息、ひどい場合には死亡することもあります。また、アレルギー誘因物質ともなり、発癌性物質にもなるとされています。

揮発性有機化合物(VOC)  多くの種類(脂肪族、芳香族の炭化水素、塩素化炭化水素、各種ケトン類、アルデヒド類 等)があります。

共通の症状として精神興奮、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、食欲減退、息切れ、動悸、手足のしびれ等の中毒症状を引き起こし、重度の場合は小脳麻痺によって死亡することもあるそうです。

農薬系防腐・防虫・シロアリ駆除剤  畳や土台などの木材の防腐・防虫や床下の土壌処理用防蟻剤として、フェニトロチオン(スミチオン)、フェニチオン(バイジット)等の有機リン系の殺虫剤が使われています。

現在一般に流通している藁入りの本畳には、農薬による防虫処理が行われています。

床下のシロアリ駆除剤は、木材に塗布や加圧注入され、床下の土壌にも注入されることがあります。

合板にも、接着剤に添加されることがあります。

気密住宅の注意点

気密住宅の注意点

住宅金融公庫(では、床面積1�当たりのすき間面積が5.0�以下の住宅と定義しています。この時の自然換気回数は0.5回/h(1時間当たり0.5回の換気が、すき間風によってされる。ということ)として考えています。一般的にツーバイフォー工法や工業化住宅では、自然換気回数0.7回/h、それ以外の在来工法では1.0回/hであるので、すき間風による熱の損失(冷暖房の無駄)は、これらの工法に比べ、50~70%に減少することになります。

しかし、この場合、計画換気(強制的に換気設備によって行う換気)を行わないで、自然換気に頼ると、換気量が不足し、室内の空気が汚染されるとしています。

気密施工方法としては、基本的には、住宅全体を防湿気密層で覆うこととなる。具体的には次のとおりです。

■計画換気

換気の目的 気密住宅の空気質の確保、結露防止、臭い・汚染物質の排出等。
必要換気量 一人当たり30�/h、または換気回数 0.5回/hを目安とし、通年に渡り換気量を常時確保する必要がある。
換気計画 主要居室には新鮮空気を吸気。トイレ・浴室等の臭気・湿気が発生する空間から排気。
換気方法と留意点 気密性の高い住宅では、熱回収型第1種換気方法(同時給排気式)又は第3種換気方式(排気式)の採用が望ましい。

健康住宅にするための対策

問題要因の発生原因を絶ち、有害な建材を避ける。対策としては、次のようなことが考えられます。

1. 建材の選択 中毒対策
アレルギー対策
化学物質過敏症対策
2. 換気

 


■中毒対策 

中毒とは アレルギーや化学物質過敏症と異なり、一定量を被爆すると、誰もが陥る症状。
中毒原因 床下のシロアリ駆除剤、木材の防虫処理剤、畳の防虫処理剤、室内で使用する防虫スプレー 等。
中毒対策 シロアリ駆除:駆除剤ではなく、シロアリ忌避効果のある木酢液やヒノキチオールを使用してみる。駆除剤を使う場合も、有機リン系を避け、ピレスロイド系かカーバメイト系のものを局所的に使う。床下に木炭を敷いたり、床下換気口を増やしたり、床下換気扇を付けるなどして、湿気のコントロールをする。

新築の場合は、床下の換気が十分行われるように配慮し、土台には、ヒノキ、ヒバ等の耐蟻性の強い樹種の芯のある材料を用いる。

畳の防虫:室温の管理を行い、湿度を下げる(60%以下)。炭入畳を利用する。セラミックで坑菌、防ダニ加工した畳表を使用する。ヒノキチオールを染み込ませたシートを組み込んだ畳を使用する。

 


■アレルギー対策 

アレルギーとは アレルゲンを持つ人に対してだけ、症状が現われる。
アレルギー原因 化学繊維、絹などの天然繊維、室内塵、カビ、ダニ、化学物質
アレルギー対策 化学繊維、絹などの天然繊維、化学物質:そのひとのアレルゲンを明らかにし、その物質を排除するか、原因となる環境をつくらないようにする。

カビ、ダニ:コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニは、アトピー性皮膚炎の最大の原因と言われている。これらは室温25℃、湿度70%付近で最も繁殖するので、換気や除湿によって、湿度を下げる。

対流式での冷暖房は、室内の粉塵やダニ類を撹拌し、必要以上に室温を上げることから、ダニの繁殖を促進することになる。エアコン自身が、カビ、ダニの繁殖箇所になっていることも多い。したがって、床暖房やパネルヒーティング等のふく射方式の暖房とする。

木、塗壁、紙性の壁装材などの調湿性の高い内装材を使用する。

天然の防虫効果のある材料(ヒバ、ヒノキ等)を内装仕上げ材に使用する。

 


■化学物質過敏症対策 

化学物質過敏症とは 最初に大量の化学物質を被爆したことから、その物質に対して症状が現われる。
化学物質過敏症原因 建材に含まれるさまざまな化学物質
化学物質過敏症対策 �揮発性有害物質を多く含む建材をなるべく使用しない。特に室内側の表面仕上げ材など空気環境に影響を与える箇所での使用を控える。

�塗料はなるべく天然系を用い、有機溶剤を使用していない、水性または天然油性のものを使用する。

�接着剤は大面積に使用する場合、有機溶剤を使用していない天然系のものが好ましい。壁紙用はメチルセルロース系、カーペット・フローリングにはダンマル樹脂・天然ラテックス系などを用いる。

�壁仕上げ材として、ビニルクロスはできるだけ避け、紙や布の壁紙や塗壁や木の仕上げが好ましい。これらは、有害物質を含まず、室内の湿気もコントロールする。ただし、下地の有害物質(合板のホルムアルデヒド等)が出てきやすくなるので下地の選択には注意が必要となる。

�床材には、天然木、コルク、天然リノリウムや、ウールや麻のカーペットが好ましい。(裏打ち材に留意する)

�室内空気に触れる合板には、なるべく低ホルムアルデヒド合板(F1タイプ)を使用する。特に物入れや押し入れ、食器棚ではノンホルム合板かスギ等の国産の天然ムク材、低ホルムアルデヒド含有パーティクルボードや MDF(中質繊維板)などを使用する。

�最低でま、ビニルクロスと有機溶剤塗料には注意する。それらの中の揮発性物質の発散持続期間が長いので、なかなか有害物質が消えて行かない。

�特に竣工時の換気を十分に行う。

 


■換気による対策 

 室内換気は、有害物質を排除する効果的な対策で、換気率に反比例して、空気中の有害物質の濃度が下がっていきます。換気率は、部屋の空気が1時間に入れ換わる回数で表わされます。次のように、在来の木造住宅とコンクリートの住宅では、換気率がかなり違います。

在来の木造住宅 (回/h) コンクリートの住宅 (回/h)
洋室8畳を密閉 1.2 4畳半を密閉 0.4
小窓を開ける 2.7 窓を開ける 4.3
ドアと小窓を開ける 9.1 窓とドアを開ける 17
大窓を開ける 11.4
ドアを開けて換気扇を使用 12.4
和室で障子と襖を閉める 4.2 (横浜国大:環境科学研究センター資料)

 有毒物質の多くは、新築から1年で1/10ぐらいに減っていきますが、あまり減少しない物質もあります。特に、物入れや押し入れのように密閉空間では高い濃度のまま残存し続ける場合もあるので注意が必要です。

3世代住宅の注意点

私の経験から、数世帯が一緒に住む家の難しい点を少し書いてみます。
ソフト面に関しては、それぞれの家庭によって違うと思うので、ハード面を中心に書きます。

1. 音の問題

生活パターンが異なる家族が生活していくわけですから、遮音には充分な配慮が必要となります。

特に複数世帯場合、階下に対する遮音が大事ですよね。

音にも様々な種類のものがあって、子供の声のような高い音/足音などの小さな衝撃音/飛び跳ね等による大きな衝撃音/水道を使った時の水やパイプの音....などなど。それぞれ防ぎ方は違います。

高い音や小さな衝撃音は、遮音材や吸音材を用います。一方、木造の場合、大きな衝撃音を防ぐよい方法は、一般的にあまりとりあげられていません。特別な方法を用いることになります)

設備配管等による音は、配管の経路、施工法を前もって考えておく必要があります。

ですから、音の問題を解決するためには、間取りは重要な要素となります。お互いの生活パターンを考え、寝室の上や隣にに子供室をもってこないとか、リビングをもってこないとか...考えてください。

2. コミュニケーションの問題

上記のような「音の問題」がある一方、家族が孤立しないように、アイデアを絞ることも必要です。これも間取りが重要になってきます。

あと断熱や健康住宅に関しては、一般的にも言われていることなので...

参考にしてみてください。

バリアフリーの家

バリアフリーのバリアは「障壁」のことで、フリーは「自由」ですから、バリアフリーとは「障壁を取り払う」といった意味になります。
バリアフリー住宅とは、障害者や高齢者が出来るだけ自分で活動でき、安全に住めるように、住宅のなかの障壁を無くし、手すりなどの設置を心がけると共に、一緒に住む家族の方も住みやすく、介助しやすくなった住宅のことです。具体的には

  1. 高齢者・障害者スペースを安全・快適な位置に置く。
  2. 室内の障壁(主として段差)を無くする。
  3. 高齢者・障害者の使い易い設備を設ける。
  4. 介助が必要な場合には、それらが行いやすくなっている。

等の工夫と配慮が行き届いた住宅です。

具体的に次のような工夫をします。(ブルーの文字の部分をクリックすると、実例のjpgイメージのが開きます。)

部位
項目
設計指針
玄関 ドア下枠 ●沓ずりと玄関土間段差は、つまずき防止のため、段差を無くすか、付けるか明確にする。付ける場合は、素材や色を変え、ハッキリと段差が分るようにする。またポーチとの差は20mm以下とする。
●上り框部は手摺設置可能とする
開口部 ●出入り口の有効開口寸法は75cm以上とする。
廊下 プランニング ●車椅子動線部の有効幅は79cm以上とする。
●手摺設置の準備をする。
階段 ●段鼻を出すときは20mm以下とし、滑止めを付け、段の存在がハッキリわかるようにする。また、照明にも配慮し、影で段が見えにくくならないよう配慮する。
●手摺を少なくとも片側に連続して設ける
洗濯室 プランニング ●作業効率を配慮した機器を設置する。洗濯機下の床で高さ調節を行い、無理のない姿勢を保てるようにする。
浴室 出入口段差 ●洗面脱衣所とサッシ下枠との段差を解消する。
●浴槽内の立ち座り、浴槽内の姿勢保持、洗い場での立ち座り、浴槽への出入りに配慮したものとする。
開口部 ●出入り口建具は引き戸、または折戸。出入り口開口パネルは危険防止のため、ガラス製品は使用しない。
設備 ●浴槽の高さは30cmから50cmとし入りやすい高さとする。状況に応じて、腰掛けエプロンタイプを提案。
その他 ●状況に応じて、入浴介助しやすい、広さと排水設備を設置する。
洗面・脱衣 洗面台 ●座って無理なく洗面行為ができるようにする。
プランニング ●脱衣に介助が必要となることを考慮した広さ・形態とする。
出入口 ●車イス動線上の有効開口寸法は75cm以上。できるだけ引き戸とする。
台所 設備 ●水栓は操作しやすく、湯温調節が容易なもの。
●また、作業しやすい調理台の高さを割り出し調整を行う。状況に応じて座ったまま作業できるタイプのものを提案する場合もある。
和室 段差 ●和室の床と洋室の床の段差を解消する。状況に応じて、車いすから楽に降りられるように和室段差を作ることもある。
主寝室 開口部 ●車イス動線上の有効開口寸法は75cm以上。
トイレ プランニング ●主寝室、及び老人室と同一階で近くに配置。
●手摺の設置。状況に応じて、介護スペースとして50cm以上確保する。
アプローチ 床・その他 ●ゆるやかなこう配のスロープとする。必要に応じて、40mm程度の手摺をもうける。
その他 ●平坦とし、出入り口や他室との段差を解消する。
●立ち上がり、移動、安定の行為を補完する手摺を設置する。将来的な手摺設置に対応できるように、全室下地補強を行う。
開口部 ●建具は引き戸、または外開き戸とする。外からでも解錠可能なものとする。
●車椅子動線部の出入り口有効開口寸法は75cm以上とする。
暖房 ●床暖房・パネルヒーティング・エアコンを中心とした採暖設備を設ける。
プランニング ●基本生活空間を同一階に配置する。
出入口建具 ●出入り口段差を解消、車椅子動線では有効開
●口寸法75cm以上、ドアノブはレバーハンドル式とする。
掃出し窓 ●1階の窓下枠と内部床レベルは30cm以下。
●30cm以上のときは出入りのための縦手摺を設置する。
●2階の内外の出入り口段差の合計は、15cm以下とする。
手摺 ●廊下の手摺は太さ30~40mmとする。手摺と壁の空き寸法は30mm以上とする。 


 

追加工事費用の考え方

建設中に追加の工事を頼んだり、変更したりすることを追加工事、変更工事といいます。建築主と工事業者の間で十分な合意がないために、トラブルの原因となることが多い部分です。

家ができるまでの数カ月の間、建築主は、建築中の家を何度も訪れ、何度も検討し、物入れの追加とか、タイルの色の変更とか細々とした要望が出てくるので、必ず追加・変更ヵ所が出ると考えておいた方がよいです。

建築現場の雰囲気などから、棚ぐらいは当然サービスかな? と建築主は考えてしまいますが、実際に費用は掛かっているわけです。

実際、工事業者の方は、安い棚板のために、いちいち見積書を用意するのは面倒くさいので、多少の追加分の場合はサービスするつもり(つまり無料)でいます。

しかし、塵も積もれば...安いものでも積み重ねていけば、それなりの金額になっていて、工事業者も赤字になるわけにはいかず、最終的には、追加工事の請求書が出てくることになります。

こうした追加・変更工事のトラブルを防ぐためには、建築主としてはどう対処すればいいのでしょうか。必ず、追加工事を依頼するとき念を押すことです。「これはお金が掛かるのか、掛からないのか?。掛かるとすれば、いくらなのか?」

たくさん追加工事を頼んでいるときは、追加費用の合計を聞くことも大切です。

現場監督は書類を作るのが面倒なので、追加費用がいつまでも分からない場合も多いのです。あまりにも延びる時は、明確に通告してください。

また、最初に取り交わす契約書に、追加工事に関する考え方を明記しておくのも有効です。「追加工事に関しては、依頼後何日以内に追加費用が提出されない場合、費用はタダと考える。。。」など。

ひょっとしたら、サービスかも...といった、中途半端な気持ちで買うには、住まいは高すぎる買い物だということを、肝に銘じておいてください。

工事費用の支払い方

数千万円もする住まいの工事費用は、いつどういう形で払うのでしょうか。

一般的なの支払い方法は、3回に分割して払います。

1回目は工事契約をした時です。工事費全体の1/3を払います。2回目は、上棟した後、屋根の形が見える頃です。同じく工事費の1/3を払います。3回目は、完成した時。残金は1/3残っていますから、それを払います。もし追加工事があったときは、追加金を加算して払います。

支払いは現金、即日払いが原則ですが、実際には請求書が出、銀行振込や小切手が使われています。

もちろん、建築主と工務店の間で合意ができれば、どのような方法でも可能です。

しかし、工事をする側としても、材料を買ったり、大工さんに労賃を払ったりしていかなければならないので、あまり長いこと立替えているわけにもいかず、まあ、工事進行に見合った分を3回ぐらいに分割して進むというわけです。

支払方法をもっと細かく分ける建設会社もあります。

契約書で決める工事範囲

工事範囲というのは、住宅を施工するにあったて、工事依頼をする範囲を施工者との間で明確にすることです。

インテリアの工事はどうするのか。。。細かい事を言えばカーテンレールは誰が取り付けるのか...といったことや、エアコンや設備機器、照明器具はどうするのか・・・・等々いろいろな状況が想定されますが、こういったことをきちんと決めておかなければ、正しい総工事費も算出されません。

契約時点で明確になっていないと、「これは、当然取り付けてくれると思っていたのに。。。」といったトラブルを引き起こす要因となります。

契約工事に入っていない「工事」のことを、「別途工事」といいます。別途工事、あるいは追加工事として、後から算出されてくる金額はバカになりません。工務店やハウジングメーカーから「では、別途工事ということで」と言われた場合にも、いったいその工事費用がどれぐらいの金額になるのか、確認しておくべきでしょう。

契約書には必ずきちんとした図面を添付してください。図面に記載されていることは全部工事の対象になると考えます。図面に描かれている工事がされていない場合には、工務店側の落ち度ですから、強く要求することができます。別途工事に関しては、図面内に別途工事と明記されます。

カーテン、テレビアンテナ、照明器具。このように目に見えるものは、工事内なのか別途工事なのか・・・、建て主が注意をすれば気がつくことです。

また、地方自治体で制度の異なる「水道負担金」とか「水道局納金」、「下水道負担金」という権利金やガス、電気、水道、下水の引き込み関係も別途工事になりやすい項目です。

契約に際して、これらの別途工事については充分な説明を受けてください。きちんと契約書に書き込むのがベストです。設計事務所がついている場合は、サポートしてくれるはずです。そうでない場合は、「この他に費用はかかるのか。」など、明確にし、契約書に書き込んでください。

工事契約書で決めること

契約書では何を決めるのでしょう。要約すると、次の5つを決めます。

  1. 工事金額
  2. 支払い方法
  3. 工事期間
  4. 工事の依頼範囲
  5. 保証期間

これらは、必ず明確にしてください。いい加減にしていると、後からトラブルを生む事になります。消費税がつくなら、そのことも明記しておくべきです。

この契約書が、全ての工事の基準となります。そこに書かれていることは、守るべきこととして行わなければなりません。逆に、書かれていないことは、別の契約(口頭の契約だとしても)によって、行われることになります。

工事後、工務店が費用がかさんで、追加金額要求してきても、突っぱねることができます。

逆に、途中で追加工事を頼んだ場合には、それが棚板1枚だとしても追加請求をされるのが原則です。

 

住宅金融公庫案内

古い記述です。

 

以下の記述は、「住宅金融公庫」のホームページから掲載したものです。詳しくは。「住宅金融公庫ホームページ」をご覧ください。記述の著作権等はすべて、住宅金融公庫に帰属します。

なお、内容に関しては、1999年3月3日現在のものです。
詳しくは、「住宅金融公庫」のホームページをお訪ねください。

マイホーム新築融資案内

お申込みができる方
融資を受けることができる住宅
基準金利が適用となる住宅
融資額
融資金利
返済期間
担保
お申込みから資金のお受取りまで
お申込み方法

 


お申込みができる方
ご自分で所有し、ご自分がお住まいになる住宅を建設される方
申込日現在、原則として70歳未満の方
公庫借入金の毎月の返済額の5倍以上の月収(必要月収)がある方
原則として(財)公庫住宅融資保証協会をご利用いただける方
日本国籍の方か外国人(昭和26年政令第319号により永住許可を受けている方または平成3年法律第71号による特別永住者)の方

融資を受けることができる住宅
一戸当たりの住宅部分の床面積が80�以上280�以下の住宅
敷地面積が100�以上のもの(昭和57年1月2日以降分筆または分割していない土地の場合は100�未満でも対象となります)
建設費が公庫の定めている限度額内である住宅
公庫の建設基準にあてはまる住宅

基準金利が適用になる住宅
バリアフリータイプの技術基準
バリアフリータイプの住宅は、段差の解消や手すりの設置など人にやさしい配慮がされています。
省エネルギータイプの技術基準
省エネルギータイプの住宅は、住まいを断熱化することで、わずかな冷暖房エネルギーで快適に過ごすことができます。

融資額

 

融資額=住宅融資額+生活空間倍増緊急加算額+特別加算額+割増融資額+債券加算額+郵貯加算額+土地融資額

(注) 融資額は住宅部分の建設費(土地の融資を受ける場合は、土地取得費との合計額)の80%が限度となります。ただし、返済能力の十分な方については、建設費が限度となります。詳しくは「融資のご案内」をご覧ください。
住宅融資額

住宅床面積 木造 耐火・準耐火
80㎡以上100㎡以下 670~740万円 750~820万円
100㎡超125㎡以下 760~820万円 830~900万円
125㎡超175㎡以下 1,220~1,280万円 1,290~1,390万円
175㎡超280㎡以下 1,520~1,580万円 1,590~1,710万円

(注) 地域により融資額は異なります。
生活空間倍増緊急加算額(単位:万円)

住宅の所在地
三大都市圏
三大都市圏以外の地域
住宅床面積   125㎡超 125㎡以下 125㎡超  1250以下
土地融資がある場合 1,000 500 500 250
土地融資がない場合 600 300 300 150

(注) 三大都市圏の地域については、「融資のご案内」をご覧ください。
特別加算額
(1)  

融資額
600万円

(2) 各都道府県が定めている基準に適合する「地域木造住宅」に、特別加算額として融資が受けられます。 

融資額
500万円

割増融資額

工事の種類 融資額
バリアフリー住宅工事 150万円
高齢者等対応設備設置工事 100万円
自然エネルギー活用住宅工事 150万円
省エネルギー断熱構造工事 100万円
省エネルギー型設備設置工事 150万円
高耐久性木造住宅工事 100万円
高規格住宅工事 200万円

 

(注)上記以外にも融資の対象となる工事があります。

 

債券加算額
住宅宅地債券の積立回数が「7回コース」の方は、最高600万円、また「11回コース」の方で7回以上積立がお済みの方は最高1,320万円の加算が受けられます。
郵貯加算額
住宅積立郵便貯金をされた方で、郵便局から平成10年度「貸付あっせん書」の交付を受けた方は275万円の加算が受けられます。
土地融資額
平成8年4月1日以降に購入された土地で、一定の要件にあてはまるものについては、住宅の融資に併せて土地の融資が受けられます。


融資金利
住宅融資額の金利は当初10年間年2.20%~2.80%、11年目以降年4.0%です。(平成10年12月28日現在、詳しくは「トピックス」の金利をご覧ください。)
生活空間倍増緊急加算額の金利は住宅融資額の金利と同じです。
適用される金利は、住宅の床面積、住宅の性能、購入価額及びお客様の収入などにより異なりますのでご注意ください。


返済期間
申込者の年齢及び住宅の構造により下表のとおりとなります。
申込日現在60歳未満

 

住宅の構造 返 済 期 間(単位:年)
 木 造  10  15  20  25  -  -
 準耐火・高性能木造  10  15  20  25  30  -
 耐 火・高性能準耐火  10  15  20  25  30  35

申込日現在60歳以上

年 齢 返済期間(単位:年)
 60歳  10  15  20
61歳以上65歳未満  10  15  -
65歳以上70歳未満  10  -  -


担保
建物と敷地に公庫の第1順位の抵当権を設定していただきます。


お申込みから資金のお受け取りまで
お申込み
必要書類をそろえて、建築場所と同じ都道府県内の金融機関などに申し込みます。
設計図などの提出(設計審査申請)
通常、建築確認を申請する公共団体に同時に申請します。
融資の決定
融資予約通知書の発行をもって融資の決定とします。
工事着工
融資予約通知書に記載されている期限内に着工してください。
現場の審査
上棟の時期が近づいたら設計図を提出した公共団体に現場審査の申請をします。
中間資金のお受け取り
融資金の一部(住宅融資額及び割増融資の80%)をお受け取りになることができます。このとき併せて特約火災保険の手続きも行います(木造の場合)。
住宅の完成・入居
表示・保存登記・新住所での住民登録などを行います。
契約・抵当権の設定登記
金銭消費貸借抵当権設定契約の締結と、抵当権設定登記、特約火災保険の手続きなどを行います。
最終資金のお受取り


お申込み方法
お申込み先は、「住宅金融公庫業務取扱店」と表示した金融機関をご利用ください。
申込書付の詳しい案内書の販売などについては、(財)住宅金融普及協会のホームページをご覧ください。